私のおにいちゃん
その言葉は、
キラに向けていったんじゃなく、
父に向けて言ったからだ。
母を殺し、父も殺そうとしている
妹を、俺はかばった。
俺も、どこか欠けていた。
母よりも、父よりも、
妹を、キラを溺愛していた。
キラがおかしくても、俺は守ると決めた。
キラは、ただ
自分のことをきちんと話せないだけで、
弱いだけで、
優しいだけで、何も悪くない。
だが、そう思った結果、
父は死んでしまった。