あの空の君へ
第八章
♠思いがけない仕事
香side

「はぁ~あ。」
俺は大きなあくびをしながらある場所へ向かっていた。

「香さん」
「ん?」
「この会社なんですけど…。」
そういって社員が書類を俺に渡した。
「取材に行かなきゃなんですけど、なかなかアポが取れなくて…。」
「どこ?」
げ!琉のところかよ。
そういえばなんか言ってたような…。
「あー、俺やっとくわ。」
「え?いいんですか?」
「兄貴んとこだし。」
「そうだったんですか…。じゃあお言葉に甘えて、お願いします。」
「資料とか集まってる?」
「あ、持ってきます。」
「机に置いといて。明日行くから。」
「アポとらなくていいんですか?」
「兄弟に会いに行くのにアポなんているのかよ」
俺は少し笑いながら言った。
「そうでした…。」
「じゃ、よろしく」

ってことで、俺は琉の会社に行くわけなんだが…。
自分のの会社に行ってからだと遠回りになるから直行。
時刻は7時半。いつもよりだいぶ早い。
「あー。ねむ。」
今日は早く行ってさっさと終わらして向こうで寝ようと思って早起きしたからこの時間。
でも、この時間があんなことになるなんて思ってもいなかった。
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