ともだち、こいびと、たいせつなひと

『もしもし?姫菜ちゃん?』

「はい」

『俺だよ?さっき姫菜ちゃんに告白して付き合った彼氏の、佐々岡葉(ササオカ ヨウ)です!』


「あ…佐々岡くんですか」


この時、初めて彼の名前を知った。

うん、彼氏なんだもの。
名前くらい聞かなきゃいけなかったよね。

『はい、葉くんですよ!』

「ようくん…」

『うん、姫菜ちゃん』

「なんで番号…」

そうだ、なんであたしの番号を知っているのだろう?

『姫菜ちゃんの友達のサチっているでしょ?
サチに聞いたんだ、姫菜ちゃんと付き合えることになったけど、すぐ立花と帰っちゃったから連絡先も聞けなかったから教えてって。ごめんね、ほんとは姫菜ちゃんから聞きたかったんだけど、俺、浮かれてて。』



あたしが話す隙を与えないぐらい、一気に事のあらすじを話したヨウくんは、明日まで待てなかったと弱々しく呟いた。


「うん、だいじょぶだよ。登録しとくね。じゃ、また明日…」

と会話終了の合図を出すと、すぐさま待って!と返ってきて思わずびっくりした。


『姫菜ちゃん、もう家だよね?会えない?』


「今から?」

『そう、実は姫菜ちゃんちの近くにいるんだ。
ごめん、立花と帰る姫菜ちゃんの後ろ、着いてきちゃった』








さすがにこれには声が出なかった。
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