セシル ~恋する木星~


シャガール美術館を堪能した後は、マルシェ(市場)へ。
花や野菜、果物、スパイスなど、それぞれ専門のお店がいくつも立ち並ぶ。

黄色いミモザだらけのお花屋さんに心が弾む。
ミモザはセシルの大好きな、春を告げる花だ。
数年前に小豆島を旅行したときのことを、セシルは思い出していた。

野菜や果物はどれも色鮮やかでつややか。
また、その陳列の仕方がとても綺麗で、レイアウトにセンスの良さを感じる。
珍しいものも多く興味津々で見ていると、ところどころで試食もさせてくれた。
初めて食べたドライトマトの、深い甘酸っぱさに感動するセシル。

その後、マティス美術館へと一行は向かう。
見晴らしの良い高台の、オリーブの木が茂った公園にあった。

シャガールの青とはまた違う、マティスの光あふれる鮮やかな青に、セシルは目を奪われていた。



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