天狗に愛されて


暗闇に紛れる無数のカラス。


「なんですか…この鳥の軍勢は。」


異様な光景に皆も気味悪がっている。


〈カー!〉


一羽だけ鳴くカラス。


逃げろと言いたいの?
でも、私の身体は動かない…。


試しに手を動かしてみると、


ジャリ…


砂利を掴む事が出来た。


身体が動くと分かったら私の動きは早く、
誰にも止められぬまま屋敷から逃げた。


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