天狗に愛されて


『…流石、蛇神。
いつもと同じルート、
登校時間なのに誰ともすれ違わない。』


〈オイラが居ると思い通りになるからナ。〉


『凄い便利!
いつも気持ち悪いとか言ってごめんね?』


罰当たりだよね(笑)


〈オイラは蛇神を縛り付けない君が好きサ。〉


『な、いきなり何さ!』


〈視えた方が生きやすい…そう言ったロ?

でも、視えるからこそオイラ達蛇神は
人間の欲によって狩られたりしたのサ。〉


欲…か。


『私にも欲ってあるのかな。』


〈あったらオイラに言いナ?
君なら叶えてあげたイ。〉


『…うん。』


でも、私の願いはきっと叶えられない気がする。


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