ばか、嫌い。でもやっぱ好き。

─希望をその手に掴め少女達

【陽花side】

ドカッ

相手は2人組の男。それを殴り続ける葵。手が血まみれになってもなお、殴り続ける。


『葵っ!!やめて!!』


とっさに男達の前に立ちはだかった。

光のなり葵の目。私のことさえためらわずに拳を振り上げた。


『う゛っ!!』


見事に私の腹に1発入った。まったく。重いよこの拳は。

取り敢えず電話しなきゃ。


《あ?》

『とっとと来て。』

《まだ怒ってるのか?》

『違うっつーの!達也さっさとして。』

《なんでだよ。》


そう電話しているすきに葵はまた男達に向けて動き出す。


『葵っ!!だめ!それ以上やったらそいつら死んじゃうから!!!』


相手はもうボコボコ。幸いまだ動ける程度まで回復はしてきている。


『う゛っ!!』


またか。ったく。痛いの!これ!はぁ。何回葵の腹パンを受けなきゃ行けないんだか。


『早く来てよね?達也。』

《わかってるよ!!!》


流石に達也にもこの状況が通じたようで、


パタンッ


ケータイを静かに閉じた。


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