<BL>  お前は俺のものだ。~古賀凛side~
その事があってから、学校に行くのが
楽しくなった。

京介さんと会えることが嬉しかった。

それに、今日も放課後、図書室で勉強を
見てくれると約束を取り付けた。



        図書室へ


「そう言えば、足の具合どうだ?」


「すっかり治りました!」


「それは良かった。
それで、何で、階段から落ちたりしたんだ
何か、悩み事か?」


「……」


「言いたくないなら、いいけど」


自分だけで解決出来る問題じゃないよな……。


「分からなくなってしまったんです。

勉強で、学年一位になっても、運動で一番になっても、『頑張れ』って言われるんです。

どれだけ努力しても褒めてくれなくて、
ただ、両親の『頑張ったな』の一言が欲しいだけなのに……」


「うん」


「最初は、その言葉が欲しくて努力して
これたけど、今は、何のためにやってるのか、わからないんです。

たった一人の弟も守れない。

誰も守れない事をしてきたんだって思い知らされた。

偽るのは得意なはずだったのに、
いつの間にか、笑う事が出来なくなってた。

僕は、何のために努力してきたんですかね」


その時、頭を撫でられた。


「頑張り過ぎだ、休むのも大切だ」


「そうですか?」


「じゃあ、今度の休み。
どっか、遊びにいこう」


「はい」




そして、京介さんと遊びに行くことになった。

色んなお店を回って、ゲームセンターで
遊んで、カラオケに行って、昼食を食べて

楽しい時間が過ぎていった。


「楽しかったか?」


「はい」


「ちゃんと笑えてるな。
何か、あったら頼ってこい。
あんまり一人で抱え込むなよ」


頭を優しく撫でてくれた。


久々に心が暖かくなっていった。










楽しい時が過ぎすのは、早いもので、
いつの間にか京介さんが卒業する日がやって来た。


「京介さん、ご卒業おめでとうございます」


「ありがとな」


「僕、京介さんと同じ高校受験しようと思います」


「そっか。
また、凛と過ごせる日を楽しみにしてる」


「はい」


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