魔王の純愛
第一章


時は江戸時代



古びた道場で少女と青年が互いに刀を交えていた。



「参った」



青年の首もとに刀が寸前で止まる。



「お前にはいつまでたっても勝てる気がしねぇ」



「風太は最後の詰が甘い」



首もとに当てていた刀を鞘に収め少女が言った。



白い肌にうっすら汗が滲み出し



頭の上で綺麗に束ねられていた漆黒の髪がはらりと頬にかかる。


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