アリストの3姉妹
それはもう、何百年も前の話で、人々にとってはもう、何代も何代も昔の先祖から伝えられる物語ではあるけど、新キャラバン王国改め、アヴィス女王国の女王アヴィスは今も国を治め、それに遣えるアンジェはそのままアヴィスの手助けをして、平和は保たれている。

タリホー王国は、代は変われど、立派な国王が代々王位を継承し、その側には今もイリスとウェンディがいて、王を見守っている。

あの頃と違うのは、その後、タリホー王国からアヴィスの結婚相手が迎えられ、アヴィスは、2度の出産で王子と姫君を迎えたが、その子らからは魔女の能力は目覚めず、人間と同じように年老いて命を終えた。
愛するものを失うことを恐れ、アヴィス女王は夫が死んで以来、二度目の結婚はしていないという。

命の儚さ尊さを知ったアヴィス女王は、いっそう愛情深い女王として国の民に尽くし、今なお高い支持を得ている。

他国から流浪の民が流れ来ることも珍しくなかった。
国が混乱に陥り、将来が不安になったら、タリホー王国か、アヴィス女王国へ行けばいい。と・・・。


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