きみと恋の話をしよう
自転車で20分かけて来てくれた佐橋先輩と、しばし小説の話題で盛り上がる。
その中で話が出たのだ。


『知ってる?作者がK市の出身でさ、話に出てくる複合施設はK市のポートマートがモデルらしいんだよ』


K市はお隣の市だ。
そんな身近に小説の舞台があったなんて。


『何度か行ったことありますけど、そう聞くと小説の場面と当てはめたくなりますね』


『そうだよね!俺も本を読んでからはまだ行ってないんだ。……深山さん、一緒に行ってみない?』


さらりと佐橋先輩は言い、それからハッと気付いた表情をした。


『ごめん、俺、調子に乗ったかも。先輩命令のつもりはないから……深山さん、土日はバイトだろうし、無理して時間開けなくていいから』


どうやら、私を強引に誘ってしまったと思ってるみたい。

全然いいのに。
むしろ、嬉しいのに。
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