きみと恋の話をしよう
「深山さん、今日は行けなくてごめん」


どうしたんですか?
何か都合が悪かったんですか?
やっぱりこの前のこと、気まずくなってしまいましたか?

話したいことがたくさんある。
だけど、どことなく沈鬱な佐橋先輩の表情に、私の言葉は喉元で止まってしまう。


「ちょっと時間いい?」


「はい、大丈夫です。この前のファーストフードにでも行きましょうか」


「ううん、深山さんの帰り道、一緒に歩かせて」


私は全然いい。先輩と歩けるなんて嬉しい。

だけど、先輩の笑顔に覇気がないことに不安を覚えた。


「先輩の自転車は?」


「今日はバスで来たんだ」


私は頷き、自転車を取りに行く。

私は自転車の左隣に立ち、彼はその横。
ふたりで住宅街を歩いた。

車は通らず、たまに自転車が私たちを追い越していく。
日はまだ高く、暑いほどの陽気だった。
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