思い出約束

真夏の花火

俊くんが照れくさそうに頭をかいた。



「…1人で来たのか?」




…あ


忘れた


「それが、あたし迷子になっちゃって…。」


はは、と笑って見せる。



「探さなきゃ…」


「いい。」


…え?


「今…はまだ探さなくていい。」



俊くん

それって、遠回しに


『2人でいよう』


っていうふうに、とらえてもいいんだよね?



私は、照れながらもうなずいた。


< 41 / 119 >

この作品をシェア

pagetop