思い出約束

もうどこにも行かないで

花火大会も終わり、あたりは、真っ暗になっていた。

「よしっ!そろそろ帰るかっ!!」


海斗は立ち上がった。
それにつられ、沙良も名残惜しそうに立つ。


「俊くん…また、いつでも会いに行っても、いいかな?」


「またいつでも来いよ。」

「うっ…んっ」


沙良はぼろぼろ泣きだした。


「何泣いてるんだよ。一生の別れじゃないだろっ」


沙良は泣きながらも、うん・うんと言った。



海斗は、後を向いている。


多分、今1番辛いのは、海斗だと思う。

海斗は、私だけに聞こえるように、小さな声で

やっぱ、俺じゃダメなのかなぁと言った


海斗の無理して、笑う笑顔に心が痛んだ。
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