思い出約束
第三章

すれ違い

病室に向かうと、泣きじゃくる沙良の姿が目に入った。



「沙良…。」


近くによっても返事を返してくれない。


そっと横を向くと俊くんがベッドの上にいた。


―俊くん…。



溢れだす涙をぐっとこらえる。



ねぇ…今の俊くんは、俊くんだけど、違う別人に見えるの…


本当にもう私達の事わからないの?ねぇ…!?



「俊くん。具合どう?」



後ろから見知らぬ女の子が声をかけてきた。



…誰!?


「なに…!?この人だかりは?」


その女の子はムッとした顔で私達を見る。



「おいっ!俊っこの女誰だよ!?」


海斗のキレる寸前の口調に俊くんもムッとなって、


眉と眉の間にシワをつける。


「私、未來ていうの。」


その未來ていう女の人が変わりに挨拶をした。
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