Mission.N
そう宣言した社長に、
「はい?」

某特命係よろしくと言うように、あたしは聞き返した。

「兄貴のためにじゃなくて、本当に俺のものにしてやるって言う意味だ」

社長が言った。

「なっ…!?」

あたしは絶句をするしか他がなかった。

「絶対にならないって言ったら、どうしますか?」

そう聞いたあたしに、
「そんなもの、俺が壊してやるまでだ。

俺は絶対に君を俺のものにしてみせる」

社長がまた宣言した。

「勝手に決めないでくださいな!」

強い口調であたしは言い返した。

人の決意を何だと思ってるの!?

あたしの気持ちを何だと思ってるの!?

「じゃあ、君の正体をバラしてもいいんだな?」

「――ッ…」

脅してきた社長に、あたしは言い返すことができなかった。
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