イレカワリ
「女性側のエッチって気持ちいいじゃん。自分で動く必要もないから楽だし。ついでにお金までもらえて、女って得だよなぁ」


人を見下したようにそう言う歩。


もうあたしは涙腺はとっくに崩壊していて、次から次へと涙は溢れ出していた。


「なぁ、なんで女はウリやんないワケ? 一番楽に稼げるのに……」


歩の言葉を遮るように、あたしはその頬を殴っていた。


パンッ! と、頬をうつ音が朝の空気を震えさせる。


だけど、それ以上にあたしが震えていた。


怒りと悲しみで、震えていた。


「さいってー!!!」


あたしはそう怒鳴ると、石段を駆け下りて学校へと向かったのだった。
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