雨降りの誕生日
1ふりめ
私は激怒した。


必ず、かの邪智暴虐の彼氏を懲らしめなければならぬと決意した。


私には理由がわからぬ。


私は、ただのOLである。残業をし、残業をして暮して来た。


けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。


……訂正、元彼氏様に対しては、だ。


彼女だもん当然でしょ?


ああほんと、もう。阿呆なことでも考えてなきゃやってらんない。


何が悲しくて、前々から約束していた誕生日というイベントの日に振られなきゃいけないのか。


誕生日だよ!? 誕生日!


あんたついこの間、お祝いするからなってほざいたでしょうよ!

これからも一緒にいようなんて、どの口が言ったよ!


……人を、別れよう、なんてたった四文字の連絡で振っといて。


さらっと可愛い子に乗り換える気満々だったくせして。


振る気だったなら、何で私に夢なんて見させた。


「ばかー……」
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