恋するBread*それでもキミが好き
『私が知ってる美緒は、確か好きな人が出来ると絶対無理って分かってても止められない、顔に似合わず意外と肉食系女子だったはずだけど?』

真紀の言う通り好きになったら自分の気持ちを誤魔化せなくなってしまう私だけど、まるで少女漫画から飛び出してきたようなあの人は、今までとは確実に違う。

頭の中におからロールさんの顔を思い浮かべた。

「名前くらいは、聞いてみようかな……」

『そうだね、学校のほうも大変だけど、美緒の今の気持ちを大切にね。来週は学校行く日でしょ?がんばって』

「ありがと、やっぱ真紀に話してよかった」


今の気持ちを大切に……。

真紀の言う通り、もしかしたらいつか遠くへ行ってしまうかもしれない。二度とパンを買いに来てくれなくなるかもしれない。

そうなったら、絶対に嫌だ。

それが明日だとしたら、私は絶対に泣いてしまう。


だって私、おからロールさんのこと……


好きになってしまったから。

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