片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「分かっている。冬也君がどれだけ夏芽さんのコトを想っているのか。私は披露宴の時、高砂席で隣に座りずっと冬也君のコトを見ていた。少し、夏芽さんを切なげに見る瞳が気になったがな」
「あ・・・」
敦司様は俺の瞳を見ただけでキモチを汲み取っていた。
この人には人の心を読み取る力があるのかもしれない。
夜の闇に染まらない鮮烈の赤色の彼岸花が炎のように揺らめいて見える。
敦司様は黙ってハンカチを差し出した。
俺は濡れた頬で自分の涙に気づく。
「二人の仲に水を差したようになってしまったな・・・すまない。私は後見人失格だな」
申し訳なさそうに呟く敦司様。
私は敦司様のハンカチを借りて涙を拭く。
「敦司様は具合の悪い爺ちゃんの代わり。敦司様は悪くありません」
「私は全力で二人のコトをフォローしていく」
「ありがとうございます」
―――――――彼岸花の花言葉は『貴方一人を想う』
俺は夏芽だけを愛してる。
彼岸花は花が咲いている時は葉が出て来ず、葉が出ている時は花が咲かない不思議な花。
互いに利用し合って結婚した俺達。
『葉が花を思い、花が葉を思う』
互いに見ることの出来ない花と葉のように、今の俺は夏芽を見るコトさえできない。
一緒に住み始めて1週間しか経ってないのに、辛くて切なくて仕方がない。
自分のモノにしたいんだと思う。
俺の妻だと言うのに夏芽は遠い存在。
夏芽を想うと俺の心は燃え上がるような真っ赤に色で染まる。
「あ・・・」
敦司様は俺の瞳を見ただけでキモチを汲み取っていた。
この人には人の心を読み取る力があるのかもしれない。
夜の闇に染まらない鮮烈の赤色の彼岸花が炎のように揺らめいて見える。
敦司様は黙ってハンカチを差し出した。
俺は濡れた頬で自分の涙に気づく。
「二人の仲に水を差したようになってしまったな・・・すまない。私は後見人失格だな」
申し訳なさそうに呟く敦司様。
私は敦司様のハンカチを借りて涙を拭く。
「敦司様は具合の悪い爺ちゃんの代わり。敦司様は悪くありません」
「私は全力で二人のコトをフォローしていく」
「ありがとうございます」
―――――――彼岸花の花言葉は『貴方一人を想う』
俺は夏芽だけを愛してる。
彼岸花は花が咲いている時は葉が出て来ず、葉が出ている時は花が咲かない不思議な花。
互いに利用し合って結婚した俺達。
『葉が花を思い、花が葉を思う』
互いに見ることの出来ない花と葉のように、今の俺は夏芽を見るコトさえできない。
一緒に住み始めて1週間しか経ってないのに、辛くて切なくて仕方がない。
自分のモノにしたいんだと思う。
俺の妻だと言うのに夏芽は遠い存在。
夏芽を想うと俺の心は燃え上がるような真っ赤に色で染まる。