片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「敦司様はうるさい輩を黙らせてくれたよ」


「そう思うなら、敦司様のコトもスキになって下さい。彰成様」

「でも、敦司様はこの俺に小陽をくれなかった。心の中では先代の愛人の子である俺を蔑んでいるんだ・・・」

「小陽さんは元々拓真さんがスキだったの。大体さ、彰成様の片思いでしょ?」

「冬也、お前の嫁ウザいぞ」

「夏芽の言う通りだと思います。彰成様は何か勘違いをしています。敦司様は彰成様の出生を蔑すんでなどいませんよ」


「じゃ同情か?」


「それは・・・分かりません」



ドアをノックして、拓真さんが入って来た。


彰成様と拓真さんが目を合わせた。


「俺が来るのを知って、小陽の護衛に来たのか?濱部拓真」


「未だに小陽を諦めてはいないようだな。俺と小陽が結婚して、もう5年だぞ」


「俺は諦めが悪い男だ。5年経ってる言うのに、子宝に恵まれないのはお前が原因だろ?」


彰成様は触れてはいけない腫れものにワザと触れる。
唇を噛み締め、右手に拳を作る拓真さん。


「本当のコトを言われて、悔しいか?俺と小陽が結婚していれば、直ぐに子供なんて生まれたのにな」

彰成様は拓真さんを挑発する。

拓真さんの怒りは沸点に達し、殴ろうと彰成様に近づいて来た。

私は拓真さんが殴る前に彰成様の頬を平手打ちする。


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