片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
小陽さんとの会話に夢中になっていて、誰かに付けられている気配は全く感じなかった。


小陽さんが突き飛ばされ、階段下に落ちて私自身も気が動転してパニックになった。

後を振り返り、突き飛ばした相手の姿を見る余裕などなかった。


「小陽さんは何と?」

「小陽は誰に突き落とされたか分からないそうだ」


「私も分かりません…申し訳ありません」

「流産はしなかったし、良かったけど・・・」

拓真さんは安堵の表情を見せ、私に微笑みかけた。


「わ、私…散歩手伝います」

「え、あ・・・ありがとう」


私はあずきとショコラのリードを持った。





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