片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~

冬也から早速検診の結果を訊く質問がLINEで来た。

本業の仕事が忙しい奈都也さんに代行で家元の仕事をこなす冬也。

私の妊娠に神経質になっている冬也の悩みをこれ以上増やしたくなくと思って、高血圧のコトは隠した。

嘘の報告をした後で胸の中には罪悪感がこみ上げる。


私の虚勢を張った嘘の為にお互いに5年間も思いがすれ違った。


『俺達の中にこれからは嘘はナシ』と冬也と固く約束したコトを思い出す。


正直に話した方がいいかな?


私はスマホを見つめ、考えた。


「何してんの?夏芽」

「えっ?」
私は隣に座るお母さんの顔を見た。

「受付の人が貴方の名前呼んでるわよ」


「え、あ・・・」
私はソファから腰を上げて受付に歩み寄って行った。









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