片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「紫陽花の花の色は土の酸性度によって色が決めるんだぜ。知ってるか?夏芽」

「ウチの庭にも紫陽花咲いてるし、それ位知ってるわよ」


「そうか…何だつまんねぇの」

「どこに飾るの?」

「そうだな・・・ミ―ティングルームはどうだ?」

「いいかも」


仕事をするだけのフロアに花を持って来て飾るなんて、さすがは華道の家元。


「ウチの庭の紫陽花も今年は青色なの」


「へぇーウチと同じだな」

二人で、コーヒーサーバーのコーヒー飲みながらお喋りした。


「そうだ、今度の日曜日、お母さん…午後なら都合がいいって」

「分かった。じゃ11時位に駅前で待ち合わせしようか」


「うん」


「なぁ、夏芽」

冬也は舌先を唇から覗かせ、甘く蕩けた声で名前を呼び、「キスがしたい」と私に求めて来た。

「え、あ…でも・・・誰かが・・・」

「どうせ、俺達は結婚すんだし、見られても誰も変に思わないさ」

冬也は私の腰を抱き、カラダを密着させてそのまま唇を奪った。


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