あやめも知らず


バタン


一人部屋にしては少し広い部屋に連れてこられた。
いや、元の世界での私の部屋が狭すぎたのかもしれない。


この部屋に辿り着くまでに驚くべきことがあった。


ここは、王宮のような大きなお城の中。


私が彷徨った森も、この城の敷地内だった。


キョロキョロしているとこの部屋に一人だけ残った青年が、召使のような人から本を受けとった。

それを、私に渡そうとする。

本といっても絵本だった。




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