Blue Moon

月海ちゃんの傷

「若、屋敷の方でよろしいですか?」

運転していた夜須が俺に聞く

「おお、屋敷に頼むわ」

「わかりやした。」

不思議そうに俺を見る、月海ちゃん。

「ああ、俺の家に行くんやで。」

そういった途端に月海ちゃんが慌てだす

「月海ちゃんそないな慌てることじゃないで。
皆、ええ奴やから安心しぃ。」

そう伝えて俺は電話帳から秋を探しかける。

『…もしもし。秋です。』

「あー、秋。俺や」

『はい。何か御用ですか?』

「今から帰るんやけど、俺の惚れた女つれていくからよろしくな」

『...はぁ?どういうことだよ。』

仕事モードの話し方がとれる秋。

「いや、だから拾ってん。
名前は神咲月海。じゃよろしくたのむで」

『チッ。わかったよ』

そう言って電話を切る秋。
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