Blue Moon

出逢い

しばらく走り続けたけどそろそろ限界だ。

路地を曲がったところで誰かにぶつかる。

「す...すみません!」

「ああ、ええよええよ。
そっちこそ大丈夫か?」

そう言った関西弁の人は私に笑いかける

「どこに行きやがったあの女!」

「探せ!」

どうしよう……。
すぐ近くまできてる

もう、あきらめて捕まるしか...。

「あんた追われとるんか?」

「そうなんです。色々あって」

「ほんなら俺ときたらええわ」

え?今なんて??

俺ときたらいいって……でも、もし恭雅に見つかったらきっとこの人もただではすまない。

「私に関わると...貴方が危ない目に会います!」

「ええから、悪いようにはしやん。」

本当にいいのだろうか

でも、今はこの人に頼るしかない。

「助けて……。」

これが私の本心だった

「あたりまえや」

にっこり笑った彼は私を横抱きにして路地を抜けていくと黒塗りの車が横付けされて停められていた。

後部席に私を乗せると彼も乗ったのを合図に発進する車
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