あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~


「木原さあ、小田急線だろ?
新宿からの距離は変わらない。案外距離は近いと思うから、そっちから回ってやるよ」

まともに言葉を話してる、志賀くん。
私は、珍しい鳥がしゃべってるみたいに、彼の顔をじいっと見ていて、話を聞いてなかった。

彼の言ってることの意味が全然分からない。

「ん?」

「だから、俺が一緒に小田急線に乗って
木原の家に寄ったら、バスかタクシーで帰るって事」

それって、このまま、家までずっと一緒ってこと??

絶対無理!怖すぎる。

「ええっ!ちょっと、家まで送ってくれるってこと?そんな、すごい遠回りじゃない…」
ビックりだ。どういう風の吹き回しなの?

どうしよう…私、彼に何かした?


何でもないようなこと言うけど、結構大変だよ、それ。私、彼女でもないのに。


「ちょっと待って」
頭が混乱してる。志賀くん、私となるべくかかわりたくないんでしょ?


「多分…この時間なら、駅に向かうバスあるし、木原の家の辺り暗いだろ?」
志賀くんが、1度にこんなに長い言葉、話してるの初めて見た。

志賀くんは、私の返事を聞く前に、小田急線の方へどんどん、歩いていった。


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