あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~


「志賀くんは…私の事好きなはずよ」

彼は、黙って私のことを見つめてる。
否定も、肯定もしない。


「まだ、私のこと信用しないのね」


本当に頑固だ。
「何度、言われても同じだ」


「どうして?」


志賀くんは、まっすぐ私を見つめて言う。


「俺の所に…こんなにきれいで、完璧な女性が来てくれるはずない…」


「志賀くん…きれいで、完璧って」

ああ…一気に力が抜けるのを感じた。

なんだ…勘違いしてたのは、私の方か…
彼、ずっと言ってたじゃないの。
行くところがないなら来いって。

同情で置いてやってるのに、その気になられたら困るか…


きれいだから、君は俺にはふさわしくない。

君は、僕にはもったいない。
そう口にする方は、相手を気遣ってるつもりでも、聞かされるほうは、その気使いに余計に傷つく。


それって、圏外ってことだものね。


「わかった。道端で見ず知らずの男といちゃついたり、家に前で元カレにキスされてる女だものね。汚らわしいって思ったよね?分かった。もう、これで最後。あなたには近づかない」
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