クラスゲーム

へー、賢斗もオシャレとか気にするんだ。

今まで家のジャージか制服しか見たことないから意外だった。


「お待たせ…。」


そう言って上から降りてきた賢斗はいつもの性格とは真反対なさわやかなオシャレな服装で一瞬固まってしまった。


「あんたそんな服持ってたの?いいじゃん…。」


照れて少し目をそらしながらそう言うと賢斗の顔から耳まで真っ赤にまった。


「愛理もかわいい。それじゃー行くか。今日は愛理のおばさんにも聞かなきゃならねーしな。」


その話はもうしないでほしい。



さすがに1日でお母さんが仮面の女という事実はまだ私には受け入れられない。


お父さんは知ってるのかな?


でも仕事が忙しくて喋る暇なんてこれっぽっちもない。

まあいわゆる仕事人間なのだ。


「行ってくるわ。遅くなる。」


そう一言おばさんに言うと私の手を引いて家を出た。
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