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元カレの出現!


それでも、同居生活はなんとなく始まって、なんとなく続いて行く。


もう早いもので二週間も過ぎた。


そうなるとだいたい個々のサイクルが分かってきて、どう私がたち振る舞えばいいかも分かってきた。


朝ごはんは基本、早起きした人が作るみたいで、大概作るのは宝生さん。
コーヒーを落として、パンを焼くのみだけど。


それでも朝からワイシャツの袖をめくってキッチンに立つ彼の姿は正直目を引いた。


私も初日以来、部屋から出る時は着替えを済ましてから出るように心掛けた。


そして、手が余ってる時は朝ごはんのお手伝いをした。


結の言ってたように、あまり言葉を口にしない彼は、挨拶を交わし一言二言言葉を交わすだけで、それ以上会話は続かなかった。


ただ、彼から滲み出ている優しさは言葉がなくても伝わってくる。


彼の持つ雰囲気が柔らかいからそうなのか、それとも、私が抱く彼へのイメージがそうさせているのか、解らないけど。

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