ルームシェア
忘れ物



昨日の晩、結局眠れないままいつの間にか朝が来てしまった。


色々考え出したら眠れなくなってしまったのだ。
宝生さんのあの一言のせいで。


『だって結と同い年だろ。妹にしか思えない』


なのに、軽そうに『じゃあ俺と付き合っちゃう?』なんて突然口にするから。


どっちが宝生さんの本心なのだか分からない。分からないけど、多分本音は『妹にしか思えない』なんだと思う。


そう思うと胸がチクリと痛んだ。
私は最初から恋愛の対象にもならないなんて。


それは少し悲しい言葉だった。


――じゃあ、私は宝生さんの事すきなの?


そんな自問自答を繰返し、そうでもないという結論に辿り着いたけど、けど好意を持つことすら拒否されてるみたいでちょっと辛くなる。だけど、そう思えば思う程私の心の中で宝生さんの存在はむくむくと大きくなっていって。


私は宝生さんとどうなりたいんだろ?


最終的にそこに辿り着いた。そこに辿り着いた私は結局そこに答えを見いだせないまま、朝を迎えてしまったのだ。


< 46 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop