それでも君を愛せて良かった
***



「父さん、父さん!
起きてよ!」

「……なんだ、ケイン。
今、帰ったのか?
ずいぶん遅かったんだな。」

「そんなことはどうでも良い。
ちょっと来てくれよ。」

「なんだ、こんな夜中に…」

ケインに叩き起こされたキースは、渋い顔をしながらケインに着いて行った。



「ほら…」

ケインが父を連れて行った先は、アベルの部屋だった。
夜中だというのに、そこにアベルはおらず、もぬけの殻だった。



「……トイレにでも行ってるんじゃないか?」

「父さん、まだ現実から目を逸らす気かい?
あいつは今頃、地下の物置きで…」

「やめろ!」

ケインは、憤る父に肩を震わせながら部屋を出て行った。



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