上司がキス魔で困ります

 すると課長は、なんとサラッと「彼女なんで」と答えてしまった。


「ええっ、本当かい!?」


 驚いた大将の手から、百円玉がコロコロと転がった。

 そりゃ驚くよね。
 私も信じられないです。


「本当です。会社の部下」


 きっぱり肯定しながら、音羽課長は落ちた百円玉を拾い上げて財布にしまう。

 馴染みの店でそんな嘘をペラペラとついていいのだろうかと思ったが【敵を欺くにはまず味方から】ということなのだろう。

 オッケー、わかりました。部下として職務全ういたしますよ。

 大将に向かって神妙に頷いた。


「春川めぐと申します。肉より魚派なので、これから通わせていただくことになると思います。よろしくお願いします」
「おうおう、音羽ちゃんの大事な女の子ならうちにとっても大事なお客さんだよ。サービスするからまた来てくれよな!」






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