俺様同居人とヒミツの関係!?
 
「そ、それじゃあ失礼します! は、ハンカチは家宝に……じゃねーや、次会った時にお返しさせてください!」

「い、急がなくてもいいからねっ」


するとアキナちゃんは、やっと「開」ボタンを離してエレベーターの外に出た。

ガバッと大げさにお辞儀をして「ありがとうございました!」と元気よくお礼を言ってくれる。


「ま、またね。アキナちゃん」

「!」


ヒラヒラと手を振り、扉が閉まる。


「な、なんか嵐みたいな子だったわね……」


だけど上に行くまで停止していたこの時間、外から何か聞こえる。

「ん?」と不思議に思って耳をすませると、


「うおぉおおおおおお!!」


獣みたいな声が聞こえた。
 
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