俺様同居人とヒミツの関係!?
 
いつも律儀にエントランスのソファで私を待ってくれるアキナちゃんは、こういった遅刻しそうな時でも、一人で先に行こうとはしない。


「あ、アキナちゃん! もしもこの先、本当に遅れそうな時は先に行ってね?」


分かってるとは思うけど――という雰囲気で言うと、アキナちゃんはニカッと笑って「大丈夫です!」と胸を結構強めに叩いた。


「もしも彩音さんが遅刻する時は、一緒に遅刻しますから!」

「!」


結構強めに叩いたのが効いたのか、アキナちゃんは「ゴホッ!」とむせる。

それを見た私は、もう、なんだか可笑しくて、アキナちゃんに釘付けになってしまう。
 
< 346 / 560 >

この作品をシェア

pagetop