奥さんの身柄、確保!
第4話 現行犯で逮捕する
日が沈んで、時刻はすっかり夕刻ーー

「イヤ~。済みませんね奥さん、夕飯までご馳走になっちゃって」
「イエイエ、折角ですから」

 誰かの為に食事を用意するなど、実に久し振りの事だった。
 ついハリキリすぎてたくさん作ってしまったが、彼はスゴい食べっぷりだ。

 更に時は経つ。

「イヤ~ホント。オフロに着替えまで、お借りしちゃって」

「イエイエ、こちらこそ。非番なのに済みません。」

 タンスの奥から引っ張り出してきた、未使用のダンナ様用ルームウェアは、彼にピッタリのサイズだった。

 私は元々、人のお世話を焼くのが好きなのだ。
 それに、誰かの気配が家にあるというのは、それだけで暖かい気持ちになるものだ……
 
 
 しばらくして一息ついた私達は、リビングで作戦会議を始めた。

「これは刑事(まだ巡査だけど)としてのカンですが……
 ヤツは手に入れた下着と奥さんの話とで想像を膨らませ、相当興奮している筈だ」

「気持ち悪いなあ…もう」

「失礼。
 そして、まさかの鍵も手に入れた。次は、間違いなく奥さん自身を狙いにやってくるでしょう」

「ひっ…」

「そこで逆に、狙いやすい状況をつくり、犯人を誘き寄せます。いいですか……」

「はいっ」

 私は彼の作戦を、懸命にメモに書き付けた。
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