奥さんの身柄、確保!
翌朝ーー

「柿田さん?……あれ?柿田さん?」

 目覚まし時計が鳴って、のっそりと重たい身体を起こすと、横に彼の姿はなかった。
 干してあった制服が消えている。

「ああ、お仕事行ったのね」
 私はボンヤリ考えた。

「あれ?花…」
 ふと見ると、枕元に紫と白の2輪の花。


 ……昨日一晩、本能の赴くままに抱き合った。最後にぐったりと倒れた私を彼は抱き上げ、
『ほら、大丈夫だっただろ?』
 と笑いあった。
 思い出してクスリと笑みが漏れる。

 そう言えば彼の連絡先を、聞いていなかった。まあ、いいや。向こうは知ってる訳だしね。
 その日の私は浮かれ気分のまま、仕事に向かった。


しかし。

 それから3日待っても、4日待っても彼からの連絡が来ることはなかった。

 思い切って、交番に電話をしてみると…

「ああ、柿田?…アイツ今、応援要請で本庁に行ってるよ?…多分1年くらいは帰らないんじゃないかな?
 イヤあ、そういう電話が多くってさあ、困ったもんだよな、アイツも。」

 上司らしき年輩の警察官は、笑いながら電話を切った。

 …まさか。

 
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