探偵の彼に追跡されて…
気にするなと言っても太郎さんを気にして彼女の歩みは重い。だが直ぐに彼女の歩みが軽くなった。

思った通り太郎さん降りたか?

「あれ?切符どこ入れたっけ?」

元々切符ではなく交通系ICカードなのだが失くしたりはしていない。こうやって太郎さんをやり過ごす。

暫く歩いた後、太郎さんはいつも使っている歌舞伎町のラブホテルに入った。

あれだけ警戒しているならラブホテルも変えればいいと思うがよほどこのホテルが気に入って居るのか?

俺達も太郎さんに続いて入りひとつ置いたエレベーター側の部屋へ入った。

部屋はお洒落でまるでリゾートホテルを思わせる作りでプールまである。

へー二人で裸でプールに入るのか? それもいいかもしれないな? 今度プライベートで来てみるか?

俺が不設楽な事を考えている間に彼女は慣れたもので服の上からバスローブを着て準備をする。

服の上からと言っても見た目はそうは見えない。誰が見ても彼女のセクシーな姿に唆られるだろう。

勿論、俺も唆られる。だから性欲を抑えていられる自分を褒めてやりたい。

彼女と出会ってから5年、俺としてはアプーローチして来たつもりだが彼女には伝わって居ない様だ。

10分程した時エレベーターから女性が1人降りて来て俺達の部屋の前を通った。

彼女が太郎さんの部屋のドアをノックすると俺達は部屋を出て廊下で抱き合い昼間の情事の後、男が先に帰る様に見せかける。

「ねぇー今度はいつ会えるの? 私の事好きなら早く奥さんと別れてよ」

上目遣いで俺を見る彼女は色気も有り彼女の演技はオスカー賞ものだ。

それマジでやばいって! もう素直な自分の下半身を抑えきれる自信がない…

太郎さんよ! 早くドアを開けて出て来い!

「ああもう少し待っていてくれ。必ず別れるから…」

すると太郎さんがドアを開け花子さんを迎え入れた。
その姿を彼女が俺を盾にしてバレない様に写真を撮る。

太郎さんと花子さんが部屋に入ると俺はホッとしてフッーと息を吐いた…

無事に終わって良かった… 色んな意味で…
こんな事いつまでも続けていると俺の体が持たないぞ…






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