【完】音にならない“好き”をキミだけに。


弱音を吐いたっていいんだよ。


「俺は、佐倉のそばにいたいです。
これからもずっとずっと…」

だから、もう1度チャンスをください。


全然ダメだな俺だけど、佐倉のこと好きな気持ちは変わらないから。


むしろ、出会った頃より、好きになった時より、付き合った時より、今の方が“好き”って気持ちはずっと大きいよ。


「あの、ちょっと待って貰えますか」

鞄の中からルーズリーフとボールペンを取り出した。





「佐倉に渡して貰いたいんです」


俺は佐倉に手紙を書いて気持ちを伝えるよ。


多分、俺がこれから病室に行っても会ってくれないと思うから。

佐倉が自分から俺に会いに来てくれるのを待ってる。

来てくれないかもしれない。

ダメかもしれない。

でも、俺の気持ちを一方的に押し付けるだけじゃ、佐倉に近付けたことにはならないでしょ。


だから、お願いします。


俺の気持ち、佐倉に届いて———。


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