鳴海くんの特権
1.




退屈だ。先輩がいないと俺は何をする気にもなれない。何で受験を控えた3年生にもなって赤点を取れるんだ、あの人は。

「どれだけ待たせるの…」

かれこれ1時間。まあ、追試だからしょうがないけど。これだけ待たされても、先輩を置いて帰るという選択肢が無いのは、それだけ先輩のことを好きになってしまったからだろう。

「……寝よ…」

図書館で待っている事は伝えてあるので、先輩がどれだけ馬鹿でもすれ違う事は無いだろう。そんな事を考えながら、俺は眠りの世界へと意識をとばした。






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