P.S 母さん、愛しています。
かしこ。そして追伸…
『あとがき。


読んでくれた皆さん、今回の話いかがでしたか?


言いたいことや思ってること、全部を文字にするのって難しい。


でも世の中には声と文字以外に、思いをストレートに表現できる手段がなかなかないんです。


黙っていたら、信じていたら伝わる?


………伝わったりしないです。


伝えようとしないと。


表現しないと。


すれ違ったままでいる関係性に未来はない。


私は自分の経験からそれを学びました。


ぶつかってでもいいから勇気を持って進みましょう。


今この瞬間だけが、明日へと続いていくんです。』






「大げさなこと書いてやがんな……」


はー君は本を片手に笑った。



「バカな女。どんだけお気楽に生きてんだよ」


ほらっ…と本を返される。


「そんなことないよ!おばちゃんはきっと必死だよ!」


5月の風が吹いてる中、私は、はー君と肩を並べて歩く。


あっという間に高3になった。

あと10ヶ月もすれば高校も卒業だ。



「はー君、おばちゃんに手紙出しなよ」


幼馴染の彼に言った。


「ヤダよ」


拗ねた言い方は小さい頃のまんまだ。


「何で?前に偽ファンレター出したこともあるんでしょ?」


高2の時に教えてもらった。

はー君はその時、私にこう言った。



『俺は親なんて信用してねぇ。愛情も何もクソ食らえだっ!』



イタズラのつもりで出した手紙がおばちゃんのヤル気に火を点けた。


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