さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*
今月になって、

チャドが住んでいた家に新しい家族が引っ越してきた。






いろいろと古い家だったのだけれど、



壁紙を張り替えたり、門の作りを変えたり、庭の花を変えたり、



そうやって少しずつ、チャドとの想い出の場所が塗り替えられていくのは傍で見ていてとても悲しい。





あの星だらけの部屋も、今ではきっと別の誰かのものになっているんだろう。





たった半年。



もう、半年。






大切な想い出が淋しさへと変わっていく。






追い付けるように走っていたつもりだったけれど、私だけがあの秋の日に取り残されているようで、



疲れた心が小さく悲鳴を上げている。




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