さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*
階段を降りて向かう先は、リビングの隅に置かれた古い電話の前。
こんな気持ちを分かち合える人は、広い世界に一人しかいない。
今その声が聞ければ、何となくこの暗闇から抜け出せそうな気がする。
――――だけど…
まだ、寝てるよね。
今日もバイトかも。
起こしたら疲れちゃうか。
電話してって言われたけど、本当に電話したらびっくりするよね。
こんな時間だもん。
迷惑だとか、めんどくさいとか、そんなこと絶対思われたくないし…
静まり返った部屋の中に、ぽとっと小さな音が響いた。