さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*

ちょうど帰宅をしたマイケルと、ミルクティーを運んできたロバートと、4人でソファに腰掛けてクリスの話を聞いた。






「予想はしていたけれど」



と切り出すロバートの瞳を見つめるクリスの表情からは、何の感情も読み取ることが出来なかった。





「テナーかバスとして、残ることも出来るんだぞ?」





「潔く、辞めます。

やりたいことも出来たので」






「そうか…」






寂しくなるな、と呟いたロバートに、



新しい子もたくさん入ったじゃないですか、と返すクリス。






そうやって世代というものは、どんどん入れ替わっていくのだろう。






「クリスも聖歌隊やめちゃうの?」




と呟いたマイケルの声が小さなリビングにあんまり綺麗に響くから、



かすれた声でうん、と答えたクリスが、



何だか手の届かない存在になってしまったように感じた。










知らない声、



大人になるための、変化。
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