幼なじみが父親宣言。

トホホ……

ドアの前で、深呼吸をする。

普通に……普通に……、と心の中で唱え、リビングのドアを開ける。

そこには、ソファーで寛ぎながらテレビを見て、アハアハ笑ってる智史がいた。

私はなんとなく、ホッと胸を撫で下ろす。

「あ……」

智史が私に気付き、テレビを消した。

「さっき吉野さんからメールあって、夕飯一緒に食べとけ、って」

「……アンタ、いつまでいる気?」

スタスタと、キッチンへ歩く私の後を、智史がくっ付いて来る。

「え…っと……明日の、朝……?」

「はぁっ!?ちょっと待ってよ!なんでそーなるワケ!?夕飯食べたら帰ってよ!」

明日の朝までなんて、冗談じゃない!

そんな事になったら、私の身が持たない!
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