吸血鬼に甘い鎖を

吸血鬼のヒミツ

あのあと私とクロトくんは
家に帰り、
お互い黙ったまま時間が過ぎた。






「…ごめん、ね」


沈黙を破って
私の言葉が部屋に響いた。





「…クロトくんは
危ないって言ってたのに…


私が注意してなかったから…」


心配かけちゃったよね。



あぁー、もうっ!

大丈夫って言いながら
全然大丈夫じゃないじゃん!




『…いいんだよ。
さすがにあいつが来てるのは
俺も予想できなかった』



「…けど!」





『いいんだよ!

…リヴィアのことは
悪かった。

俺も…すぐ行ってやれなかった』



…なんでクロトくんが
謝るの…?


おかしいよ、そんなの。




『…俺もう寝るな。
咲も、早く寝ろよ』



クロトくんが
席を立った。





ガタンっ。




< 69 / 168 >

この作品をシェア

pagetop