吸血鬼に甘い鎖を
『…いーかげんにしろッ!!!』


ヒィィィ…!!!




クロト君がお怒りだよぉぉ!!!




私だけじゃなくって
クラスのみんなもびっくり。



ガシャーンって音は
舞台のセットが倒れただけみたい。




「…おや、神崎君。

まだ演技の途中ですよ?」


リヴィア君は特に
気にもとめず笑って言った。





『…ッ!!!』



「ま、待ってッ!!!


だめだよ、クロト君…」



みんながいるのに、
暴れたりしたら…




私の思いを読み取ったのかは
わからなかったけど、
殴りかかろうとしたクロト君は
すんでのところで踏みとどまった。




『…ッ…!!…』



震える拳を握り締め、
クロト君は教室を出て行った。





「さすがですね、七海さん!

あそこで神崎君の動きを止められるなんて!」


冗談交じりにそう言った
リヴィア君。



私は力強くにらみつけ、
クロト君を追いかけた。
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