恋に目覚めたシンデレラ

晃さんは颯爽と行ってしまい。
暫くその場に突っ立っていたけどしようとしていた事を思い出して気を取り直しバスルームへと入って行った。

お化粧をしてから会社に行ける支度が済んだ頃。
時間はまだ7時にはなってなかったけどキッチンに行ってみようと思い立ち部屋を出る。


階段を下りキッチンに入ると40歳位の女性が忙しく動いていた。

「おはようございます」


声を掛けるとその女性はこちらに気付いたようだった。

「もしかして葵様ですか?」

「はい倉橋葵です。
3ヶ月ほどこちらでお世話になると思いますがよろしくお願いします」

「3ヶ月……ですか」

変な事を言ったのだろうか。
目の前の女性は首を傾げて腑に落ちないような顔をしていた。


「あの……葵様は西園寺様の婚約者と伺っていますが、それで事情があって結婚前だけどこちらで一緒に住む事になったと」

婚約者……?

「私がですか?
そんな違いますよ。婚約者だなんて……」


「えっ!違うんですか?……でもずっとこちらで一緒に住むと聞いていたのですが……」

晃さんとは友達としてお付き合いすることになったけど婚約とかここにずっと住むとかそんな話しはしてない……。
何か誤解があったのかもしれない。

「本当に、西園寺様と婚約はしていないんですか?」

「本当です。何か誤解があったんだと思います。暫くここで住まわせて貰う事にはなっていますけど私と滉さんは婚約はしてませんよ滉さんとは……」

「おはようございます。小野寺さん」

晃さんとは友人関係だと説明しようとした時に走るのを終えた晃さんがキッチンへと入って来た。



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