恋に目覚めたシンデレラ
恋人の時間


「今度の飲み会は俺とお前で幹事だから」

「えっ、そうなの?」

「おい、忘れてたとか言うんじゃないだろうな」

「忘れてた」

「マジか……」

矢嶋は呆れたようだった。

「それで今日下見に行きたいから付き合え」

「下見……」

「いいだろう?送迎の車は一日ぐらい乗らなくたって。帰りはタクシーで帰ればいいんだし」

「……幹事だしね。解った今日はタクシーで帰る事にする」


晃さんに連絡しておかないと。
電話をしてみたけど繋がらなかった。


それで飲み会の幹事をやることになり同僚と下見をするから遅くなる事と帰りはタクシーで帰ることをメールで送った。

矢嶋とタクシーに乗り目的の場所で幾つかお料理を頼みメニュー見ながら検討する。これなら大丈夫だろうと意見が一致した。

矢嶋の帰宅経路は晃の家とは逆らしくタクシー乗り場までは一緒に行くことにした。
店先に出た所で見慣れた車が止まっているのに気づく。

立ち止まってもう一度確認すると。



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